ペットが眠っている姿を見ると癒されるかたも多いと思います。
疲れて帰ってきてスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている姿を見ると、
明日もがんばろうというエネルギーさえもらえます。
そんな私たちの家族の一員であるハムスターには
長生きしてほしいですよね。
ハムスターは言葉がしゃべれないので、
何気ないしぐさにもしっかり飼い主が気を配っておく必要があります。
寝ている姿にも意味があります。
特に小動物は外的な影響を受けやすく、
体調を崩すと死んでしまうこともあるので注意が必要です。
今回見ていきたいのはハムスターの寝姿です。
本記事ではハムスターのうつぶせ寝の理由と対策をご紹介します。
ハムスターが仰向けで寝るのは何故?
ハムスターは野生で生きている時は外敵が多くてとても弱い動物です。
もしケージの外にでてしまうとカラスや猫などに狙われてしまいます。
草食動物は外敵の攻撃から身を守るために、
一番大切なおなかを守ろうと本能が働きます。
そのため睡眠時でも背中を丸めてお腹を内側にして寝ることが多いです。
猫がよく丸くなって寝ているのを見かけると思うのですが、
これも寝ている間に襲われないようにお腹を守っているのです。
丸まってうつ伏せで寝るか、
土下座をしているかのように頭を床につけた体勢で寝ることもあります。
よっぽどリラックスしている場合は、
お腹を半分出した横向きに寝ることもありますがそれも稀です。
お腹を上に向けて仰向けで寝ることは自然の法則からすると、
大変無防備な体勢なのです。
その理由は
「部屋が暑すぎて体温調整が難しい」
「おなかの病気」
「耳や脳の病気」
などが考えられます。
次にそれぞれのケースを詳しくお話しします。
理由①部屋が暑すぎている可能性がある
最近の夏は猛暑を通り越して酷暑です。
人間も体調を崩すほど暑い日もあります。
室温が40度を超える日もあり、
小動物も体温調節が難しくなります。
日中クーラーをつけっぱなしにしておられる飼い主さんもいますが、
電気代を節約してがあまりつけない方もおられます。
人間でもそうですが、
蒸し暑い部屋の中では脱水症状になりやすく、
ハムスターも熱中症になってしまいます。
もし帰宅した時ににハムスターがおなかを出して寝ているなら、
それは体の熱を発散させようとしているからかもしれません。
部屋の温度を20度から26度に保つようにしてあげましょう。
理由②おなかの病気の可能性がある
もしお腹が膨れていて、
触るのを嫌がる場合はおなかの病気の可能性もあります。
おなかをして寝ると痛い、
お腹がつかえて丸まれないなどの理由があって
仰向けに寝ているのかもしれません。
お腹の病気は腸閉塞や寄生虫症、
メスであれば生殖器の病気などの可能性があります。
腸閉塞とは便秘のことです。
便が固く出にくくてお腹に溜まっていたり、
固まる砂を使っている場合はそれを誤飲してしまい、
腸内で水分と反応して膨らんでしまっているのかもしれません。
ハムスター用トイレを見て便が、
いつもより少ないように思うならその可能性を考えて
獣医さんにつれていってあげて下さい。
もし下痢をしているようなら寄生虫感染の疑いもあります。
多頭飼いしていたり、
ゲージの中が不衛生の場合に起こりやすいので、
日ごろからケージ内をキレイに掃除してあげましょう。
寄生虫の駆除するための薬を投与してもらうために、
早く病院に行くと安心です。
もし飼っているハムスターがメスなら、
子宮の炎症を起こすことがあります。
子宮が腫れておなかがぽっこりすることもあるので、
仰向けに寝ていて下腹部が腫れているなら、
子宮の病気の可能性もあります。
生殖器からなにか分泌液が出ていないかなどもチェックポイントです。
病院に連れて行くと、まずは薬物投与、
あまりにひどい場合は子宮摘出などが行われます。
理由③バランスを失う耳や脳の病気の可能性がある
ハムスターの可愛らしいしぐさの1つに、
後ろにコロンとひっくり返るというものがあります。
手足が短くて運動神経も優れていないハムスターは、
簡単にコロンと転がってしまいます。
その姿は見ているものに癒しを与えてくれますよね。
しかし病気のためバランス感覚を失ってそうなっている場合があります。
ハムスターは耳の中の平衡器官でバランス感覚を保っています。
しかしそこに障害を持つとバランス感覚が失われ、
より仰向けになったり転んだりしやすくなります。
もし飼っているハムスターが眠っている時だけでなく、
起きている時もよく転んだり、
うつ伏せになったりするなら三半規管の炎症や腫瘍の可能性もあります。
いつもと違うしぐさを見せている場合は、
何らかのSOSサインだと思って気遣ってあげましょう。
まとめ
原因が分かれば事前に対策をとることも可能です。
部屋が暑すぎて仰向けに寝ている場合は
「部屋の温度を下げる」
「ハムスターにとって涼しい環境を作ってあげる」
部屋の温度は20度から26度。
人間にとって涼しいと感じる温度で大丈夫です。
乾燥しすぎもあまりよくありませんので、
湿度も40度~60度ほど適度に保つようにしましょう。
またエアコン代わりに、
保冷材やペットボトルにいれた水を凍らせた
即席保冷剤を使ってケージ自体を冷やすこともできます。
凍らせた保冷剤や氷をケージの上に置きます。
冷気は下に流れますので短時間ならケージ全体を涼しく保つことが出来ます。
直射日光が直接当たらない影に置くことも大切です。
もしワンルームで窓から一番遠い所に置いても日が入ってしまう場合、
日中遮光カーテンをして部屋の温度が上がりにくくしておくこともできます。
病気が原因の疑いがある場合は一刻も早く獣医に連れて行くようにしましょう。
治療を進めつつ、
ハムスターの飼う環境をもう一度見直すようにしてください。
こまめにトイレをとり、清潔な水を上げるようにします。
寄生虫が原因なら一緒に飼っているハムスターも、
かかる可能性があるので病気の子を隔離するなど工夫が必要です。
ストレスが原因で仰向けになっているならストレスの原因を見つけましょう。
飼い主の何気ない行動がストレスを与えているかもしれません。
ハムスターは臆病な動物なので背後から掴まれたり驚かされたり、
お腹を触られたりするのを嫌います。
また群れるのを嫌う動物なので一匹でゆっくりくつろげる
スペースがないとストレスを感じます。
扇風機の風や飼い主のフーという息も不快なだけです。
他に猫や犬を飼っている場合、
その動物が近づいた時に怖がってストレスを感じているかもしれません。
ハムスターがリラックスしてくつろげる環境を作ってあげましょう。
大事な家族のサインに気づいてあげられるように、
日ごろからスキンシップを密にとってあげてくださいね。