退職を考えている方、
退職日を安易に月末になどと考えていませんか?
実は退職日をいつにするかによって、損得が大きく異なります。
この退職日をいつにしたらいいのか、
は個人の状況によって大きく異なるのも事実です。
本記事では区切りの良い月末の退職について、
何が得で何が損なのか解説しています。
これを参考に、皆様が得する退職日を決定されると幸いです。
月末日を退職日にすると損をする?
30日退職と31日退職ではどちらが得なのでしょうか?
違いはあるのでしょうか?
社会保険料は退職日が30日か31日かで、
保険料負担に違いが出てきます。
健康保険や厚生年金の保険料は、
「資格喪失日の属する月の前月まで徴収される」
と法律で定められています。
この中の「資格喪失日」は「退職日の翌日」を指します。
たとえば、
9月31日に退職した場合
「資格喪失日」は10月1日で、
「資格喪失日の属する月」は10月となり、
その前月の9月まで保険料が徴収されます。
9月30日に退職した場合
「資格喪失日」は9月31日で、
「資格喪失日の属する月」は9月となり、
その前月の8月まで保険料が徴収されます。
という違いが生じます。
つまり、
退職日を月末日の前にした方が、
月末日を退職日にする場合よりも、
社会保険料が1ヶ月分少なくて済むのです。
健康保険や厚生年金の保険料は「後払い方式」です。
毎月給与から天引されている保険料は、実は前月分のものなのです。
給与明細を見るとわかるのですが、
1ヶ月分の社会保険料はバカにならない額になりますから、
退職をたった1日ずらすだけで、
払わなくて済むならかなりの支出を減らせます。
目先の支払いが避けられるので、
退職を考えている方は参考にしていただければと思います。
年金への影響はあるの?
年金の場合、加入期間が1ヶ月短くなると、
その分将来受け取る年金額は減ることになります。
年金は原則として25年以上の納付期間がないともらえないので、
1ヶ月の違いがあとあと大きな意味を持ってくる可能性もあります。
代わりにその1ヶ月は国民年金に加入する義務があります。
しかし、保険料が厚生年金に比べて安い代わりに
その分将来の年金は減ってしまいますので、
1ヶ月だけわざわざ国民年金に加入するのが手間なのも事実です。
退職後もしばらく会社勤めはしない人はともかく、
翌月から他社への就職が決まっている人なら、
退職日を月末日前にするメリットは
年金についてはあまり無いと言えるでしょう。
健康保険への影響はあるの?
健康保険の方はそれなりのメリットがあると言えるでしょう。
10月30日に退職して翌月の11月1日に次の会社に転職する場合、
退職日の10月30日までは前の会社の健康保険が使え、
11月1日からは次の会社の健康保険が使えます。
ですから、空白(無加入)の10月31日さえ健康で無事に過ごせば、
デメリットなしに1ヶ月分の健康保険料を浮かせることができます。
厳密には「国民皆保険」と言って、
本来は短い期間であっても何らかの
健康保険制度に加入しなければならないのですが、
この場合は実質的には難しいと言えます。
ただし、傷病手当金や出産手当金などのように、
退職後も受給するには「継続して1年以上被保険者」
であることが求められるサービスもありますので注意が必要です。
結論としては、
「目先の支出をどれくらい重視するか」
の考え方次第、と言えるでしょう。
賞与(ボーナス)で得をする考え方
ボーナスは会社に在籍することでもらえるお金です。
従って、退職を考えている時期とボーナスをもらえる月が近い際は、
ボーナスの後に退職した方が金銭的には有利と言えます。
有給で得をする考え方
有給は、会社や上司が「拒否」できるものではありませんので、
取得してから退職した方が有利です。
ただし、会社とあなたが気持ちよく退職の手続きを行えるように、
以下の2点に注意しましょう。
・早い段階で退職の意思を伝える
・徐々に有給を解消し引き継ぎの期間を設ける
まとめ
いかがでしたでしょうか。
得する退職日の選び方についてご紹介しました。
退職日を月末に持ってくるポイント、
注意点についてはご理解いただけましたでしょうか。
しかし、退職日をいつに設定するかは、
あなたの今後の立場や考え方によります。
少しの注意をすることによって、
保険料の節約を行えたりすることができるようになります。
稀に会社の立場で社会保険料を節約するために、
会社の方から退職日を指定させられるケースがあります。
しかし、労働者が自身の都合で退職日を
決めることは当然のことながら権利として保障されています。
そのため、会社の方から退職日について指定をされても、
安易に妥協せず、会社の方と交渉してみてもいいかと思います。
この記事を読んでくださっている方々には、
ぜひお得に退職していただきたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。