ウイルスは、人や動物の細胞内でしか
生存や増殖が出来ません。
咳やくしゃみなどで体外に出たウイルスは、
誰かに感染して細胞内に入らない限り生き残れない。
では、そんなウィルスの寿命はどうの位なのでしょうか?
本記事では、ウィルスの種類ごとに寿命について説明します。
人に感染できなかったウイルスはどうなるの?
人や動物の体から出たウイルスは、
一定時間を過ぎると不活化=つまり死滅します。
これは寿命を迎えたということです。
この「寿命」はウイルスによって異ります。
気温や湿度・付着した場所によってと変わりますが、
短いものもあれば驚くほど長いものもあります。
【インフルエンザウイルス】
通常の飛沫が付着した場合は、
およそ2~8時間と考えられています。
仮にインフルエンザウイルスが含まれた鼻水を、
洋服のような表面がでこぼこしたものに塗りつけると、
24時間くらいはウイルスが生き続けます。
いろいろな因子に左右されますが、
実際に感染性を持っているのは、
そのうち2時間程度だと推測されています。
これがドアノブのような表面が、
つるつるしている平滑な物体の上だと、
もっと長生きして48時間くらい生存して、
8時間くらいは感染性を維持できます。
その間に別の人がドアノブを触ることで、
インフルエンザウイルスが他の人の手に乗り移り、
鼻や口から吸い込まれていくわけです。
意外にも、衣服についたウイルスよりも、
つるつるのステンレスの方が、
インフルエンザウイルスが長生きできるのです。
【ノロウイルス】
気温が20℃では1カ月前後。
気温4℃だと2か月間感染力を保つ。
嘔吐下痢の原因となる「ノロウイルス」は、
インフルエンザウイルスよりずっと長生きで、
4℃くらいの環境だと、
最高で40~50日も感染力を保てるのです。
ノロウイルス恐るべしです。
20℃くらいの環境だと1~10日以内には、
ほとんど感染力を失います。
ノロウイルスは基本的に低温環境が好きなので、
冬に流行します。
90℃以上を90秒でウイルスを不活化できると、
いわれています。
しっかり物理的に洗い流した後で、
アルコール消毒(塩素消毒)などを行うと、
非常に有効です。
【コロナウイルス】※新型コロナウイルスではない
ドイツの大学の研究グループによると、
病院のドアノブや、
ベッドサイドテーブルなど金属やプラスチックに、
付着したウイルスは最長9日間、
感染力を維持することができるといいます。
ただ、これはSARSやMERSを引き起こす、
「コロナウイルス」であって、
2019年から2020年にかけて流行している
「新型コロナウイルス」ではないとしています。
しかし、新型コロナウイルスも同じ性質を、
持つとするとインフルエンザウイルスよりも
寿命が長いため、それだけ感染力が強いと考えられます。
ウイルスは気象条件によって寿命が、
変わってきますので紹介した時間よりも
長く生息する可能性もあります。
まだ不明確な部分が多いからこそ、
日頃の対策が重要になってきますよね。