インフルエンザは規模の差はありますが毎年流行します。
適切な予防が大切ですが、2018年の最新情報も踏まえ、
インフルエンザに感染してしまった場合の治療法としてどのようなものがあるのかについて解説します。
インフルエンザの治療法
インフルエンザにかかった場合、基本的な治療は、
インフルエンザウイルスを抑える抗インフルエンザ薬が
中心になります。現在、内服、吸入、点滴があります。
また、症状を緩和させるために、
咳、鼻水などの症状に対しては、痰を切りやすくする去痰薬、
咳を抑える鎮咳薬、鼻水を抑える抗ヒスタミン薬を、
発熱や頭痛に対しては、鎮痛・解熱薬を使用します。
■オセルタミビル(タミフル)
1日2回投与で5日間
カプセルとドライシロップの2種類です。
カプセルは75mgです。
ドライシロップは1kg体重当たり1日4mgです。
カプセルはやや大きめですので、
飲みにくい人はドライシロップが良いと思います。
ただ、ドライシロップも後味が苦いので、
子どもは嫌がります。
実際、ゼリーに混ぜたり、
アイスクリームに混ぜたりして飲んでもらっています。
小さい子どもでは吸入ができないので、
5歳未満では最初に使用される薬です。
■バロキサビル(ゾフルーザ)
1日1回投与
この薬は、
細胞内でのインフルエンザウイルスが
増えるのを抑える効果があります。
10mg、20mgの錠剤と1包10mgの顆粒があります。
体重と年齢によって投与方法が異なります。
12歳以上の子どもと成人では、
20mgの錠剤2錠または顆粒4包を1回内服します。
80㎏以上の体重のある人は、
20mgの錠剤4錠または顆粒8包を1回内服します。
12歳未満では、40kg以上で20mgの錠剤2錠または顆粒4包、
20kg以上40kg未満で20mgの錠剤1錠または顆粒2包、
10kg以上20kg未満で10mgの錠剤1錠
■ザナミビル(リレンザ)
1回2吸入で1日2回で5日間
吸入する薬で、1日1枚のディスクを使います。
5日間吸入する必要があります。
薬としては、活性型と言って、
気道に直接効果を発揮しますので、
解熱までに時間が短いです。
■ペラミビル(ラピアクタ)
1回の点滴で1日
点滴する注射薬です。薬が飲めない、
吸えない子どもやお年寄りに使用されます。
点滴ですので、痛みがあります。
点滴は15分以上かけて1回行います。
■ラニナミビル(イナビル)
10歳未満で1日1回2吸入(20mg)
10歳以上で1日1回4吸入(40mg)
吸入する薬で、1日1回、5日間の効果を発揮します。
活性型の前の段階の薬のため、効果は5日間持続します。
リレンザより解熱までの時間が少しかかります。
この薬は、インフルエンザウイルスが細胞に感染して、
細胞外に出る時に必要なノイラミニダーゼという酵素を
抑える薬です。
そのため、感染してから初期に効果を発揮します。
できるだけ早期に48時間以内に服用した方がよいとされています。
■ファビピラビル(アビガン)
現在は、成人にしか使用できません。
1錠は200mg
1日2回で1日目に1回8錠(1600mg)、
2日目から5日目までは1回3錠(600mg)で、5日間内服します。
この薬は、
インフルエンザがRNAという物質による遺伝子をもっているため、
このRNAを複製するために必要な
RNAポリメラーゼという酵素を抑えます。
そのため、インフルエンザに感染してから
48時間以降も効果があると言われています。
ただし使用できる条件は、
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症であることや、
他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は
効果不十分のものに限っています。
動物実験で胎児に奇形をもたらす作用が報告されていますので、
妊婦には使用できません。
インフルエンザは規模の差はあれ、毎年流行します。
それに合わせた対策も、毎年必要になるのです。
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