転職活動で、合否を左右するポイントの一つとなる「面接」。
本番でうまく答えられず、あたふたしてしまった……
という経験がある人は多いでしょう。
面接には決まった流れがあります。
なぜならどの採用担当者も応募者について知りたいことは、
ほとんど同じだからです。
本記事では、面接で必ず聞かれる質問を10個ピックアップして、
その意図と適切な回答方法についてご紹介します。
質問例①「貴方の職歴をご説明ください」
ただ単に自分の職歴を伝えるだけでなく、
転職先でその職歴を生かせることをアピールする必要があります。
面接官は応募者自身に関心があるわけではなく、
応募者のキャリアが自社に活かせるかどうかに関心があるのです。
単に前職について説明するだけではなく、
自分の職歴、経験、スキルや培ったノウハウが、
転職先でどのように生かせるのかをアピールすることが大切です。
その場合、具体的な成果や実績を織り交ぜると説得力が増します。
異業種からの転職であっても、
そこで培ったノウハウが転職先で、
どのように活かせるのかを説明するようにしましょう。
回答内容によって未経験をプラスに生かすことが出来ます。
回答例
私はこれまで、○○業界で○○の経験を積み、
主に○○などの業務を行ってきました。
例えば○○社などの○○業務です。
英語も得意で海外の○○作成経験などもあり、
文章力にも自信があります。
○○業界は初めてですが、仕事のフローが身につけば、
きっと御社に貢献できると思います
質問例②「転職を決めた理由は?」
業界にもよりますが、
採用後あまり期間も経たないうちにまた転職(退職)されてしまうと、
採用企業側としては少なからずダメージを受けます。
求人広告や社員研修業務等にかけた費用はもちろん、
当初は給与も仕事量と合わず先行投資の意味合いで出している会社が
多いので結果的に不利益を被ることになります。
必然的にすぐに退職しそうな応募者はまず不採用でしょう。
転職理由からその人の仕事に対する姿勢が伺いしれます。
入社後にどのようにネガティブになってしまうのか、
ストレス耐性はどうなのかなど。
「新しい事に挑戦したい」は一見向上心があるように思われがちですが、
実績を残しているかどうかで、
ただの根性なしや飽きっぽい性格と思われるだけです。
特に社会人経験が浅い人は、
下積みが出来たのでその経験を生かして次のステップに行きたい。
といった向上心が着実に採用企業で活躍してくれるイメージを
持たせる事ができます。
社会人ベテランの方も同じ傾向ですが、
ただ夢を見るだけではなく地に足が付いた回答が必要になるでしょう。
回答例
前職では主に販売や顧客システムの導入サービスを行い、
現場やその他スタッフと協調しながら、
問題解決をしていくそのスタイルに充実感がありました。
しかし個々のシステムを導入するだけでは、
企業全体の経営目標を実現することは難しく、
全体的な視線から課題解決に取り組む必要性を感じるようになりました。
そこで、将来のことも考え戦略から実行支援までトータルな、
コンサルティングを行いたいと思い、
戦略コンサルタントを目指して転職活動をしております。
質問例③「貴方の短所を教えてください」
よくある例として、
「こういう質問に即答で答えられないのが短所」のような回答は、
ユニークかも知れませんが絶対に言わないほうが良いでしょう。
この質問の意図は大きく2つあります。
1つは単純に面接官が応募者の短所を知っておきたいためです。
正直に答えるのも良いのですが、
それが仕事に差し支える内容であれば正直さを問いている質問ではありませんので、まず不採用になります。
例えば、
人の多い職場でコミュニケーションが苦手と言うと、
まず不採用になるということは容易に想像できるのではないでしょうか。
ぜひ注意してください。
そしてもう1つは、
面接を通じて面接官がすでに応募者の短所や欠点に気付き、
それを本人が自覚しているかどうかを探るためです。
その場合はきちんと短所を告白し、
改善に向けて克服の努力をしている事も付け加えておきましょう。
具体的な計画等を伝えればなお良いです。
回答例
技術職なのでどうしても制作や品質向上といったことに
没頭してしまう部分があり、それが短所だと思います。
自分としては今後はもっと広い視野を持ち、
経営全般の事や他社との差別化、スタッフとの連携を意識しながら、
行動したいと考えております。
質問例④「セールスポイントを教えてください」
セールスポイントが平凡なものであれば印象も薄くなり、
評価はされないでしょう
女性だと「笑顔で周囲を明るく出来るとよく言われます」
と回答する方もいますが色々な誤解をしていますし、
転職先企業にとって全くメリットが見いだせません。
セールスポイントが平凡で誰にでも出来るような物なら
不採用になると覚えておきましょう。
当然ながら相手の企業であまり重視されない能力、
例えば技術職でテーブルマナーをアピールしても効果は薄いでしょう。
セールスポイントをアピールする時は、具体的な経験、
実績を交えると説得力が生まれ、好印象を与えることが多いようです。
漠然とした回答はNGです。
「常に他のスタッフより上でした」
等自分の力がどの程度か分からなければ、
ただの独りよがりに聞こえます。
回答例
2点あります。
1つ目は営業力です。
前職の○○社では、全ての期間で新規顧客獲得数1位、
売上げランキング3位以内になるなど、営業力には自身があります。
もう1点は経営知識です。
簿記1級の資格を持っておりまして、
他にも独学でMBAと同等の知識を勉強したので、
経営に関する基礎知識はあります。
質問例⑤「当社についてどんな事を知っていますか?」
今のご時勢ですから企業も必ずホームページを持っていると思います。
しかしホームページを単に目を通した程度で答えては、
逆にその転職先に対する就業意欲の低さを感じさせてしまいます。
まず志望意欲、そしてその企業に対する分析力、
情報収集力が試される質問です。
薄っぺらい事を答えるのは絶対に避けましょう。
一般的な事だけならイメージが悪くなり不採用になる可能性が高いです。
本当にその転職先企業に就職したいなら、
その会社の企業情報・ポリシーや事業内容の強みと弱み、
また今後の展望に意見が言える程十分に情報収集しておく必要があります。
もちろんその会社に対しての評価は、
あくまで客観的な意見が正しい訳ではありません。
自分が就職する上でどう思うか?
消費者に向けたアンケートではありません。
自分が就職した上での回答、
そして就業したいと言う意欲が伝わるような回答を心がけましょう。
回答例
最近広告代理店に勤務する友人から、
広告業界における御社の新規事業が高く評価されていると聞きました。
私が御社で行いたい事業プロジェクトは、
まさに御社の新事業と結びつける事で、
大きな相乗効果が期待できると思い、私の転職意欲を掻き立てました。
質問例⑥「自己PRをしてください」
まずは自分が会社に役に立つ人間だと第一印象を与えることが大事です。
面接官も最初は貴方の事を何も分かっていない状態です。
最初が肝心なのです。
最初に役に立つ社員になるイメージを
植え付け、強い印象を与える面接を心がけましょう。
ポイントは、自分のキャリアや経験や強みを要約した上で、
自分が会社に貢献できる事をアピールしてみるとよいです。
ただし、単なる仕事内容や経験の羅列ではダメです。
面接官が期待するのは応募者のセールスポイントや強み、
自社にどのように貢献してくれるかです。
貢献意欲を伝えてもいいです。
自分の実績やノウハウをコンパクトにまとめて説明することが大切です。
回答例
これまで○○社、○○社に勤務し、
○○の分野でノウハウ・実績を積み上げてきました。
特に○○社では○○と言った業績を残しています。
今までのキャリアは、
これからまさに○○等の分野を開拓していく御社に、
必ず貢献できると思い、志望しました。
質問例⑦「志望動機は?」
この質問はかなり一般的な為、質問される事は多いでしょう。
よくありがちな、
とりあえず転職先企業を褒めておけばいいと
安易に考えている方も多いのではないでしょうか?
ポイントは、ビジョンと行動・動機が一致しているかどうかです。
つまり面接官は、
「なぜ当社なのか?」
そして
「何をやりたいのか?」
を聞いているのです。
その為、自分が何をやりたいのかを明確に伝えつつ、
その実現のために他社ではなくその会社に入ることが、
望ましい理由も具体的に伝える事が大切です。
さらに言うと何をやりたいのかを伝える際には、
それを実現できる能力や経験を踏まえていること。
あるいはそれに向けて現在進行形で努力している事についても説明すると、より説得力が高まります。
回答例
前職までは採用業務全般と社員の研修業務を担当しました。
今後は賃金業務や社会保険業務においてもキャリアを積み、
人事のプロフェッショナルになりたいとの将来の展望があり、
応募させて頂きました。
過去に人事コンサルティングに関するセミナーを受講した事もあります。
今まで人事全般の知識の習得に励んできました。
まだ足りない部分も多いかと思いますが、
一生懸命勉強し、成果を出してまいりたいと思います。
質問例⑧「貴方のアピールできる実績は何ですか?」
よくある回答例として、
「○○を手がけました」
「年商○○円のビジネスを育てました」
等、結果から伝えるのもいいのですが、
説得力やリアリティも追求しないといけません。
結果と過程を一緒に紹介することで、リアリティを出しましょう。
面接官は過去の実績を探ることで、
その人の独自性や器の大きさを図ります。
一言で分かりやすい実績を持っている方はい良いのですが、
実績の反映されにくい職種の方は、
結果よりも過程(プロセス)の面で多くの技術を備えている事を
印象付けると良いでしょう。
もちろん実績のある方も過程をしっかり説明する事で、
よりその実績が大きく伝わるので効果的です。
回答例
前職では事業年度の最後に、
その年にもっとも活躍した社員を社長が選ぶ「社長賞」という賞が、
与えられていました。
通常は営業成績が優秀な方や、
ヒット商品を発案した人が同賞を受賞する事が多いのですが、
昨年は総務である私が同賞をいただきました。
それが一番の実績です。
理由は社内の事務職の女性をまとめて、「事務職が会社にできる事」
という勉強会を毎月開催し、実践していた事が評価理由にあると思います。
質問例⑨「当社で貴方の能力はどう活かせますか?」
「はい、活かせます」
と簡単に答えてその根拠がないと、
かなりのマイナスイメージになりますので注意してください。
この質問では、面接官は貴方がどんな能力に強みがあり、
その能力をどのように当社で活かして行こうと思っているのか、
そしてその具体的なイメージをどれぐらい持っているのかを
チェックしています。
転職先にどのようなメリットがあるのかを、
根拠をこめてロジカルに説明する必要があります。
ここでも自分のアピールポイントを具体的に説明し、
具体例をあげて転職先に役に立つ人間だと説得するようにしましょう。
回答例
私がこれまでの経験から培ったブランドデザイン力や、
経営戦略立案、営業マネジメントに関するノウハウが、
御社の企業価値の向上に役立つと考えます。
例えば私は物の販売をゴールと考えず、
物の販売は顧客ネットワークを築いていくためのスタートだと考えます。
そこで築かれたネットワークを一つのメディアとして活用します。
このような構想の有効性や実現性は私の成功実績が参考になると思います。
質問例⑩「貴方から何かご質問は?」
だいたい面接が一通り終わると最後によく質問される内容です。
本当にないのかもしれませんが「特にありません」と言うのは、
話が長引いておおよその事が聞けた後なら構いませんが、
なるべく避けたいところです。
この質問を応募者にさせる理由は、入社意欲を探るためです。
志望企業への入社意欲と企業分析力を見られますが、
「質問がない」つまり「興味がない」=「入社意欲がない」
と判断されてしまいます。
会社のホームページを見ればすぐ分かるような内容を
質問するのも取ってつけたようでマイナスイメージになります。
入社後に業務を行う前提で、その業務への素朴な疑問や、
第一段階で必要な要素を突いて質問等すると、
より真剣さが伝わるでしょう。
また転職先企業から見た必要な人材像等を質問するのも、
質問内容が見つからなかった場合等に有効です。
回答例
はい。
本日の説明にて、御社の仕事内容は一通り理解できたと思います。
もし、差し支えなければ、本日私の面接を担当いただき、
特に気になった点や足りない点等がございましたら、
ご指導いただけないでしょうか。
本日の面接にて御社への入社意欲が強まったと思い、
もし次の面接に呼んでいただけるなら、
自分の足りない部分をなるべく補いたいと思っております。